2014年6月15日

Jimmy Scott

米ャズ・シンガーのジミー・スコット(88歳)が6月12日、ラスベガスの自宅で亡くなったというニュースを聞きました。

'40年代からジャズ・ヴォーカリストとしてデビュー。
しかしレーベルとのトラブルの為に20年以上のブランクを余儀なくされる等不遇な人生を送ったジミー。
不遇の時代はホテル等で働き'92年の「All The Way」で復帰。
転機が訪れたのは、'90年に放送された米TV「ツイン・ピークス」の最終話で本人役で登場し"Sycamore Trees"を披露しました。



遺伝によるホルモンの欠陥が原因で身長が伸びず声変わりしていない為か、女性の様な艶と張りが特徴的な歌声でドラマでもインパクトを与えました。

日本では'99年にNHKで放送されたドキュメンタリー番組「Why Was I Born」が放送されて以来、一気に過去のアルバムが相次いでリリースれました。

初めてジミーのアルバムを聴くのに最もポピュラーなのは'98年にリリースされた「Holding Back The Years」かと思います。


曲名リスト
1. ホワット・アイ・ウドゥント・ギヴ
2. ザ・クライング・ゲーム
3. ジェラス・ガイ
4. ホールディング・バック・ジ・イヤーズ
5. ハウ・キャン・アイ・ゴー・オン
6. オールモスト・ブルー
7. スレイヴ・トゥ・ラヴ
8. ナッシング・コンペアーズ・ツー・ユー
9. 悲しみのバラード
10. ドント・クライ・ベイビー

カルチャー・クラブのボーイ・ジョージが歌った"The Crying Game"を筆頭に、"Jealous Guy"(ジョン・レノン)、"Holding Back The Year"(シンプリー・レッド)、"Almost Blue"(エルビス・コステロ)、"Slave To Love"(ブライアン・フェリー)、"Nothing Compares 2 U"(プリンス)、"Sory Seems To Be The Hardest Word"(エルトン・ジョン)と全10曲中7曲がカヴァーのジャズ・アルバムです。
こう書いてしまうと単なるカヴァー・アルバムと思われがちですが、オリジナルを凌駕しそうな位、自分のフィールドに持ち込み魂を揺さぶる程の感動を与える歌を聴かせてくれます。






同じカヴァー系では、この2年前にリリースされた「Heaven」も良いです。


こちらはタイトルで判る通り"天国"をテーマにしたカヴァー曲中心のコンセプト・アルバムで、"Heaven"(トーキング・ヘッズ)、"All My Tears"(エミルー・ハリス)、"People Get Ready"(カーティス・メイフィールド)、"When He Returns"(ボブ・ディラン)等が歌われています。




また「Holding Back The Years」の2年後にリリースされた「Mood Indigo」もオススメです。


オリジナルとはまったく違ったアプローチで切々と歌い上げたチャップリンの映画『モダン・タイムス』で有名な"Smile"、エリントンのナンバーでタイトル・トラックでもある"Mood Indigo"では、サイラス・チェスナットのピアノとハンク・クロフォードのアルト・サックスが心地よい世界を作り上げています。他にも、ジミーのヴォーカルとグレゴワ・マレットのハーモニカが郷愁を誘う"Imagination"や、ヴォーカルが際立つバラード・ナンバーの"Time After Time"等、どれも聴き応えがあります。






個人的に一番好きなのは'02年の「But Beaautiful」です。


こちらはウィントン・マルサリス(tp)、エリック・アレキサンダー(ts)、ジョー・ベック(g)、リニー・ロスネス(p,arr)といったN.Y.を拠点にしている精鋭ミュージシャンを迎えたゴージャスな内容になっています。
ビリー・ホリディが歌った事でも有名な"You Don't Know What Love Is"を筆頭に、マルサリスの哀愁溢れるトランペットとジミーのヴォーカルが見事に溶け込んでいる"Darn That Dream"、B.B.キングが歌った事でも知られるブルージーな"Please Send Me Someone to Love"ではJ・ベックとE・アレキサンダーがいい味を出しています。



この他にもナット・キング・コールとはまた違った趣を感じるタイトル・トラックの"But Beautiful"、フレディ・コールをデュエット・パートナーに迎えムーディーに歌い上げるデズニーの「ピノキオ」の劇中歌"When You Wish pon A Star"、L・ソロフのトランペットも秀逸な名曲"Bye Bye Blackbird"等、全曲で参加したR・ロスネスのピアノも含め演奏やアレンジの良さに加え、どれ1つとってもジミーならではの独特のヴォーカルから繰り広げられる世界観が感じられます。




若い頃苦労されましたが、晩年は多くの経験をする事が出来たジミー。
ご冥福をお祈り致します。

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