On Sunset / Paul Weller ('20)

ブログを書く感覚が少し戻ってきたんで今日は先日リリースされたポール・ウェラーの新作も書いておきます😃



収録曲

  1. Mirror Ball
  2. Baptiste
  3. Old Father Tyme
  4. Village
  5. More
  6. On Sunset
  7. Equanimity
  8. Walkin'
  9. Earth Beat
  10. Rockets
  11. 4th Dimension
  12. Ploughman
  13. I'll Think Of Something
  14. On Sunset (Orchestral Mix)
  15. Baptiste (Instrumental)
  16. Failed
11-15.は日本盤または輸入盤のデラックス盤に収録、16は日本盤のみ。

レビュー

'90年のスタイル・カウンシル解散からソロ活動に転向し今年で30年。
昨年5月にライブ盤「Other Aspects – Live at the Royal Festival Hall」を出したばかりにも関わらず、前作「True Meanings」から2年振りにリリースされた通算15枚目のスタジオ・アルバムです。

スタイル・カウンシル解散の一因となった古巣ポリドール移籍第一弾となる本作のプロデュースは、親交の深いジャン・“スタン”・カイバート(Jan "Stan" Kybert)とポールによるもの。参加ミュージシャンは3度目の参加となるザ・ストライプスのジョシュ・マクローリー(Josh McClorey)、スレイドのジム・リー(Jim Lea)といったベテランから、フランスで活躍するル・シュペール・オマールのジュリー・グロ(Julie Gros)、〈ロンドンのフランク・オーシャン〉と評されるコルトレーン(Col3trane)、3姉妹フォークロック・バンドのステイヴス(The Staves)、娘のリア・ウェラー(Leah Weller)と若手も起用。そして注目は盟友ミック・タルボット(Mick Talbot)の参加これは嬉しいサプライズです!



静かなオープニングかと思いきや次々と変容サウンドがタイトル通りの"Mirror Ball"、彼らしいR&Bのグルーヴを取り入れ信仰に対するパーソナルな歌詞の”Baptiste”、62歳になった今の気持ちを歌う"Old Father Tyme"や先行シングルの"Village"など、最初の動画で”このレコードは音楽のちからとそれが自分の人生に与えた影響を反映している。”と語った通り、精力的に活動しているポールが立ち止まり周りを見渡してる様な歌詞が印象的です。


中盤ではフォーク・ロックとドラマティックなストリングの見事にブレンドされたサウンドとジュリー・グロによるフランス語のヴォーカルが映える"More"や、同じくポールらしいフォーク・ロックとソウルが融合しオーケストラが華を添えるタイトル・トラックの"On Sunset"は長い人生の後半に差し掛かった心情と夕暮れをかけてるのでしょうね。


その他、ジム・リーのヴァイオリンとの異色のコラボによる"Equanimity"、タイトル通りゆっくりと歩を進める様なサウンドも魅力的な"Walkin'"、ザ・ステイヴス(フォーク)とコルトレーン(R&B)と若き才能を迎えエレクトリック・サウンドと作中では異色曲となる”Earth Beat”、ラストはボウイを彷彿するスローな"Rockets"で幕を閉じます。

尚、輸入盤のデラックス・エディションと日本盤には、インスト曲の”4th Dimension”、牧歌的な"Ploughman"、フォーキーな"I'll Think Of Something"の3曲と2曲のミックスが収録、日本盤にはさらに"Failed"が追加収録されてます。

全てを聴けば判りますが"On Sunset (夕暮れ)"は決してキャリア後期を迎えたという老いた感じは一切無く、キャリア43年とベテランの域に達しても常に変化をし続ける作品を出し続けるポール・ウェラー恐るべしといった内容。いっそ次は「Moonlit night (月夜)」、「Dawn (夜明け)」と作ってもらいたいです😃

全曲視聴

アルバムは公式YouTubeチャンネルなどで全曲視聴できます。

メイキング映像

7月9日にアップされた20分に及ぶアルバム・メイキング映像


ザ・コンプリート・ポール・ウェラー

6月30日にシンコーミュージックからリリースされた大久達朗監修『ザ・コンプリート・ポール・ウェラー』は、'15年に出版された『CROSSBEAT Special Edition ポール・ウェラー』のアップデート版。
新たに元スタイル・カウンシルのスティーヴ・ホワイト、ミック・タルボット、そしてウェラーの最新取材ほか大幅加筆されています。ポール・ウェラーの全てが凝縮された本なので興味がある方はこちらも是非。

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