独特な世界観で”ボウイさん絶好調だな~”と思っていたら、リリースから僅か2日後に訃報が届き、久し振りに心臓が痛くなる位の衝撃を受けました。
January 10 2016 - David Bowie died peacefully today surrounded by his family after a courageous 18 month battle... https://t.co/ENRSiT43Zy
— David Bowie Official (@DavidBowieReal) 2016, 1月 11
私にとってデヴィッド・ボウイは、プリンスと並んで洋楽を聴くキッカケになったアーティストでした。
中学生の頃、ラジオで洋楽を聴いてはメモ紙にアーティストの名前を書き、それを持ってレンタル・レコード点でアルバムを借りてました。
そうやって借りたアルバムがリリース直後のプリンスの日本デビュー盤の「Prince (愛のペガサス)」とデヴィッド・ボウイの「Lodger (間借人)」でした。
この時点では良く判らず聴いてましたが、聴く度に両作好きになり、翌年リリースのプリンスの「Dirty Mind」とボウイの「Scary Monsters (and Super Creeps)」は自ら進んで買う程になりました('-')
この出会いがあったので、”あなたの好きなアーティストのベスト3は?”と言われたら、”プリンス!、ボウイ!・・・あと誰にしようかな・・・”という位の感じになってしまいました。
そんな訳で、今日は'80年の「スケアリー・モンスターズ」を聴いています。
曲リスト
01.It's No Game (No. 1)02.Up the Hill Backwards
03.Scary Monsters (And Super Creeps)
04.Ashes to Ashes
05.Fashion
06.Teenage Wildlife
07.Scream Like a Baby
08.Kingdom Come
09.Because You're Young
10.It's No Game (No. 2)
アルバムについて
ブライアン・イーノと共同で'76~'79年にかけてレコーディングを行った「Low」、「Heroes (英雄夢語り)」、そして「Lodger (間借人)」の所謂”ベルリン3部作”の翌年にリリースされた通算13作目のアルバムです。(カヴァー・アルバムの「Pin Ups」を加えるなら14作目)
芸術性に重きを置いた事で一般受けがしなかった”ベルリン3部作”でボウイの自己欲求が満たされたのか、本作では少しポップ寄りに路線を変更。
2ndアルバム「Space Oddity (スペイス・オディティ)」で登場した架空の人物”トム少佐”を再登場させた"Ashes to Ashes"が大ヒットします。
このMVはMTVが流行する前に制作されたにも関わらず25万ポンドと当時の史上最高額で製作された事でも有名になりました。
この話題があったからなのか、日本でも夜中の音楽番組で良く流れていました。
この意気込み一つ取っても、ボウイが後に来る”音楽と映像の融合”を予見していたか判りますね。
アルバムからは"Fashion"、"Scary Monsters (And Super Creeps)"、"Up the Hill Backwards"の4曲がシングル・カットされました。
ベスト盤で聴くと"Ashes to Ashes"と"Fashion"の2曲が取り上げられますが、このアルバムの良さは日本人の廣田三知さんの朗読が異彩を放つ"It's No Game (No. 1)"や、疾走感のあるサウンドの渦がどこまでも続く"Scary Monsters"、圧倒的なヴォーカルを見せつける"Teenage Wildlife"、廣田さんのナレーションを英語で歌い直したラストの"It's No Game (No. 2)"、アートワークも含めどれボウイの追い求める芸術性とユーザーが求めるサウンドのバランスがピッタリ合致した完璧なアルバムだと思います。
このアルバムの3年後、映画『戦場のメリー・クリスマス』、そして「Let's Dance」が世界的にヒットし、イギリスのロック・アーティストから世界のデヴィッド・ボウイに飛躍する事になります。
そのキッカケとなった本作はボウイにとってもターニング・ポイントとなる作品だと言えますね。
プリンスは自分で全てをコントロールする天才ですが、ボウイは自分がやりたい作品作る為に人材を引き寄せる天才だと思います。
両者共、早い段階でインターネットを利用したサービスを展開したりと先見の明もありましたね。
そんなボウイもいつかは他界するとは思っていましたが、癌の告知を受けてから構想を練ったのか「★」収録の"Sue"を昨年のベスト盤「Nothing Has Changed」に収録する事で、自らの意思で最高の形のベストを作り、ロック(69歳)で亡くなるなんてどこまで完璧なアーティストなんでしょう・・・
こんな辛い時が新年早々来るなんて・・・
【オマケ】
'92年にリリースされたリイシュー盤には下の4曲がボーナス・トラックで追加。11.Space Oddity
12.Panic in Detroit
13.Crystal Japan
14.Alabama Song
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