2023年の年間ベスト・アルバム (その2)

前回に引き続き2023年の年間ベスト・アルバムの第2弾を書いておきます。 

年間ベスト・アルバム(その1)


Caleb Hawley - Preshow Music
ケイレブ・ホウレー - プレショウ・ミュージック

ミネアポリス生まれで現在はニューヨークに拠点を移して活動しているシンガーソングライターのケイレブ(カレブ・ホーリーやケイレブ・ホウレーと記載される事も)は、幼少期からゴスペルに触れ、祖父が愛聴していたレイ・チャールズの影響(モチロン、同郷のプリンスも!)を受ける。バークリー音楽大学出身で後述のコリー・ウォンやヴルフペックとも親交のあるアーティストです。
3年振りとなる新作も、これまで同様憂いのあるウィスパー・ヴォイスとネオ・ソウル、ファンクを更にブラッシュアップしたサウンドが見事に融合した良作。


Corinne Bailey Rae - Black Rainbows
コリーヌ・ベイリー・レイ - ブラック・レインボウズ

前作『The Heart Speaks in Whispers』から約7年振りとなる4作目のスタジオ・アルバムは、ヴァージンからサーティー・タイガースと表題のブラック・レインボウズ・ミュージックに移籍してリリース。
シカゴにあるストーニー・アイランド・アーツ・バンクで開催された、黒人の歴史に関するオブジェやアート作品の展覧会から「奴隷制度、精神性、美、生存、希望、自由」について強いインスピレーションを受け制作されたもので、ロック、パンク、R&B、ソウルなど多様なジャンルを大胆に取り入れた意欲作です。

Cory Wong - The Lucky One
コリー・ウォン - ザ・ラッキー・ワン

現在放送中の『SPY×FAMILY』のエンディングに使用されたVaundyの新曲「トドメの一撃」に客演した事でも知られるミネアポリスを拠点に活躍する“現代最高峰のカッティング・マスター” と称されるギタリスト、コリー・ウォン(コーリー・ウォンと表記も有り)の新作。
アレン・ストーンを迎えたオープニング・トラックの「Look At Me」、マーク・ロベルジェによる伸びのあるヴォーカルとエモーショナルなギターの音色を堪能できる「Hiding On The Moon」などヴォーカル入りの楽曲は勿論、ルイス・コールが参加した「The Grid Generation」やプリンスのホーン・アレンジを手掛けたマイケル・ネルソンの手腕が光る「Brooklyn Bop」など聴きどころ満載。


Simply Red - Time
シンプリー・レッド - タイム

活動停止期間を経て2015年に再結成したシンプリー・レッドの約4年ぶり13作目となるスタジオ・アルバム。
BMGから古巣ワーナーミュージックに帰還した本作は、ミックのソロを手掛け気心のしれたアンディ・ライトをプロデューサーに迎え、ソウル、R&B、ブルースをブレンドしたシンプリー・レッド流の洗練されたサウンドと円熟味を増したミック・ハックネルのシルキーなヴォーカルが堪能できる1枚です。
奥様との出会いがインスピレーションになった「Better With You」をはじめ、ロックダウン中に自身を見つめ直したパーソナルな歌詞が多く収録されています。


Janelle Monáe - The Age of Pleasure
ジャネール・モネイ - ザ・エイジ・オブ・プレジャー

『ムーンライト』や『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』で女優としても脚光を浴びているジャネール・モネイの4作目のスタジオ・アルバム。
「The Age of Pleasure(快楽の時代)」というタイトルに表れているとおり、2022年にノンバイナリー(女性にも男性にも分類されないジェンダー)であると表明したジャネールの新作は、パンセクシャルとパン・アフリカンに焦点をあてたアンセムと言える作品。
フェラ・クティの息子、シェウン・クティとエジプト80によるホーン・セクションが印象的なアフロ・ビートの「Float」からレゲエの「Champagne Shit」、そしてシームレスに続く「Black Sugar Beach」…と全体で1つの作品に仕上げていて、近年では短い約32分という収録時間もコンセプト・アルバムとして絶妙な長さだと思います。




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