クリスチャン・マクブライトについて
父、叔父共にベーシストというベース一家の血を受け継ぎ、ダイアナ・クラーク、マンハッタン・トランスファー、ディ・ディ・ブリジウォーター、ジョー・サンプル、チック・コリア等、錚々たるミュージシャンに絶大な信頼を受けてるジャズ・ベーシストのクリスチャン。'95年に初リーダー作をリリース。
今回紹介するのは'00年にリリースされた4thアルバムの「サイ・ファイ」です。
曲名リスト
1. Aja
2. Uhura's Moment Returned
3. Xeres
4. Lullaby For A Ladybug
5. Science Fiction
6. Walking On The Moon
7. Havona
8. I Guess I'll Have To Forget
9. Butterfly Dreams
10. Via Mwandishi
11. The Sci-Fi Outro
"Science Fiction"を略した本作は、ロン・ブレイク(ts,ss)、シェドリック・ミッチェル(p,el-p)、ロドニー・グリーン(ds)の新しい3人のメンバーを迎えたカルテットでの演奏をベースに、ハービー・ハンコック(p)、ダイアン・リーヴス(vo)デヴィッド・ギルモア(g)など豪華なゲストを迎え、作り込んだアルバムに仕上がっています。
前作「A Family Affair」ではエレクトリック・ベースを使いスライ&ザ・ファミリー・ストーンの異色のカヴァーを披露していましが、本作の1曲目にはスティーリー・ダンの'77年の名曲"Aja"をカヴァーしています。マクブライドのダイナミック且つ繊細なアコースティック・ベースを中心にメンバー3人とデヴィッド・ギルモアのギターがそれぞれのパートで見事に溶け合い、オリジナルとは違った新しいサウンドを展開しています。
カヴァーではこの他にスティング(=Police)の"Walking On The Moon"('79)、ジャコ・パストリアス(=Weather Report)の"Havona"('77)、スタンリー・クラークの"Butterfly Dreams"等を、どれもマクブライト流のアレンジで消化されています。特に"Walking On The Moon"は、パッと聴いただけでは判らないかもしれません。
オリジナルでは、米TVでおなじみ『Star Trek(TOS)』のウーフラ少尉の名前を付け同名タイトル曲とオリバー・ネルソンの"Stolen Moments "('61)をミックスした"Uhura's Moment Returned"、ハンコックを迎え5人のバトルにも似た熱い演奏が堪能できる"Xeres"、一転してダイアン・リーヴスのしっとりとしたヴォーカルがヒーリング効果をもたらしそうな唯一のヴォーカル・ナンバー"Lullaby For A Ladybug"、映画『マトリックス』にインスパイアされて作曲したタイトル・トラックの"Science Fiction"は、1曲をドラマ仕立てに例えた広がりのある面白い作品です。
メンバーとの息もピッタリで、特にロドニー・グリーンのドラムが随所で渋く光ってるのが印象的です。
昨年リリースされた「Conversations With Christian」では、前述のスティングやディー・ディー・ブリッジウォーターと共演したアルバムで、こちらもオススメです。
曲名リスト
1. Angelique Kidjo / Afrika (4:28)
2. Regina Carter / Fat Bach and Greens (4:41)
3. Sting / Consider Me Gone (4:23)
4. Eddie Palmieri / Guajeo Y Tumbao (6:18)
5. Roy Hargrove / Baubles, Bangles and Beads (5:22)
6. Dr.Billy Taylor / Spritual (7:12)
7. Dee Dee Bridgewater / It's Your Thing (5:13)
8. Hank Jones / Alone Together (5:38)
9. George Duke / McDukey Blues (5:35)
10. Chick Corea / Tango Improvisation #1 (9:11)
11. Russell Malone / Sister Rosa (6:45)
12. Ron Blake / Shake'n Blake (5:36)
13. Gina Gershon / Chitlins and Gefiltefish (6:44)
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